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第115話 指

作者: G3M
last update 公開日: 2026-03-03 07:52:28

「お母さん、前から聞きたかったことがあるんだけど」

 範経は中指をくねらせた。

「な、何?」と寛子。

「ぼくのこと、今でも嫌いでしょ」と範経。

「何を言うのよ」と寛子。「嫌いならこんなことしないわ」

「離婚したとき、ぼくを引き取らなかったのは盗撮事件を疑ったせいじゃないよね」と範経。

「え、どういうこと? あなたがやったって思い込んでいたわ。ごめんなさい」と寛子。

「嘘だ。母さんは疑ってなかった。後で高校の先生から聞いたよ。母さんが高校にひどく抗議していたって」と範経。「職員会議にまで乗り込んできて大変だったって、国語の川田先生が教えてくれた」

「あなたのことが好きだったのよ。あなたを信じていたからよ!」と寛子。

「違うね。理由はわからないけど、母さんはぼくが犯人ではないことを確信していた」と範経。「高校に激しく抗議したのは、デマが拡散したら会社の評判が落ちるからでしょ?」

 寛子は言葉に詰まった。

 範経は中指を再びくねらせると、寛子は両脚をすぼめた。

「脚を広げて」と範経。

 寛子は肩幅に足を開いて、両手で範経の肩をつかんだ。

「両手を頭の後ろで組んで」と範経。

 寛子は範経の
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